近年精神障害者(主として統合失調症者)の社会復帰の促進に関心が寄せられてきています。従来の長期入院治療に代わり、短期入院と外来通院の組み合わせにより精神障害者を地域でケアしていくことは、今日我が国の精神医療の基本認識ともなってきています。しかしながらせっかく退院しても、街の中で自閉していたのでは意味が薄く、今後はこれら退院者の再発率の低下、つまり外来での寛解の維持と生活の質の向上が大切な問題になっています。地域ケアの成否は専門領域を異にする多職種チーム(精神科医、かかりつけ医師、保健師・看護師、PSW、臨床心理専門職など)による包括的ケア・マネージメントによるところが大きいとされています。これを生かして、今日の精神科医療では地域ケアが再発予防と障害者本人の街の中での生活動線の拡大、本人・家族の生活の質や満足度の向につながるようなシステム作りが求められています。

そこで地域(港区)に住む精神障害者の自立と社会復帰を支える精神保健の専門家によるケア・チームによる、精神障害者とその援助者を中心としたサポートネットワークをつくろうということになりました。

みなとネット21は、地域のニーズを満たすメンタルヘルス・サービスに求められる4つのAを満たす地域中心型精神保健サービスネットワークを目指します。

1. 利便性 Accessibility 最大の効果をもたらす時間と方法による最適のサービス
2. 受容性 Acceptability ユーザーの負担に見合うサービス
3. 責任性 Accountability 障害を減じる上で効果的かつ効率的なサービス
4. 適応性 Adaptability ニーズの多様性や変化に適応できるサービス