ぜんかれんレビュー 22号 「和今洋在」より

統合失調症治療の新しい流れとして、近年特に注目されているのは、Falloonらが行っているOTP(Optimal TreatmentProgram)と呼ばれる継続的な家族介入です。
Falloonらは、援助者中心のストレスマネージメントが再発防止に非常に有効であることを示して、家族単位での包括的な行動療法的家族介入の必要性を強調していす。統合失調症の外来維持療法を効率的かつ効果的に行うには、治療や援助が、症状や能力障害、ハンデキャップが解消されるまで継続され、それも個々のニーズに最も適した形で行われることが望ましいのです。そのためには、
1)当事者・家族双方についての生物医学的・心理社会的側面からの持続的なアセスメントがなされること、
2)必要最小限でかつ適切な容量の向精神薬の処方、
3)当事者や家族に対する理解しやすい心理教育、
4)様々なストレスに対処する上での助けとなる問題解決技法の習得、
5)生活技能訓練、
6)衝動性のコントロールや薬物の副作用などの個別の問題に対する特異的な治療戦略、
といった内容を包括的に盛り込んだ治療的家族介入が必要であると考えいます。更に家族介入の実施に際しては、当事者・家族構成員全員に参加を求め、これに精神科医、看護師(士)、PSW、臨床心理士など多職種からなる治療チームが当たります。定期的に生物医学的・心理社会的なアセスメントが行われ、その結果は必要な治療戦略の変更を含め常にフィードバックされます。最初のうちは毎週セッションを行いますが(可能な地域では原則的に治療チームが訪問する)、次第に間隔を広げていくことになります。毎回のセッションは以上の6つを基本に認知行動療法的手法で行われますが、各家族員の役割を踏まえて問題解決を図り、家族の対処機能を向上していくことが家族全体のエンパワーメントにも繋がっていくと期待されます。ちょっと聞くと大変大掛かりで手間のかかる治療方法ですが、
図表に示したように再発率は非常に低く抑えられ、好ましい結果が得られています。

BACK